高周波電流の表皮効果 その1
高周波/ミリ波の伝送課題
高周波周波数が高くなればなるほど、配線を通る電流の量は少なくなります。プリント基板の伝送損失は、誘電体損と導体損が複合したものである(下記表)。
誘電体損は誘電体で生じる電界によって発生する損失で、比誘電率(εr)や誘電正接(tanδ) といった誘電体がもつ材料定数に依存します。
一方、導体損は、導体を流れる電流に起因して発生する損失で、導電率に依存し、周波数の平方根に比例して増大する。これに加え、表皮効果により高周波信号は導体のごく表面に電流が集中することから、表面粗さ(導体表面の凹凸)が大き いと伝送損失が増大する。この表面粗さに起因する損失も導体損の一部とみなして考えます。
磁界の仕組み
電流を流すとその直角方向に磁界が生じ、この磁界の密度は導体の中心部ほど強くなり、その磁界による逆起電力が発生し電流が流れるのを阻止する方向に働く。
高周波表皮効果
この様に、信号の周波数が高周波になる程、配線内を通る高周波は導体の表面しか通らなくなり、電気信号の高速化、大容量化の阻害となってしまいます。また、導体表面が凹凸になっている場合、さらに伝送ロスが発生するのと、基板などに導体を貼り付けた場合、基材絶縁体の誘電率により伝送ロスの影響が生じます。
■誘電損失 抵抗損失以外に絶縁体でエネルギーが熱に変わってしまう損失。
■誘電正接 誘電体内での電気エネルギー損失の度合いを表す数値。
■誘電率 電子を電極上に引き付ける率。(電荷をためやすいか、ためにくいかの値)
効果的な低誘電材
対策をするための効果的な低誘電材料は以下の通りです。
*特性値は、参考となります。
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当社は次世代通信5G・ミリ波による高速大容量通信に必要な、低伝送損失・放熱対策・低誘電材料、シールド、また、基材表面処理、接着について、適切な材料選定に注力し、製品の提案をさせて頂きます。個別提案書をご用意しておりますので以下フォームよりお気軽にお問合せください。
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