11月度原油・金属・為替相場動向を更新しました。
〇 経済産業省素材産業課がまとめた9月のエチレン生産量(速報値)は、40万5,000トンと前年同月比24.4%減。前年同月の定修プラントはなく、当月は1基(出光興産/徳山)だった。エチレン設備の平均稼働率は83.2%と前月比で2.7ポイント減少し、2ヶ月連続で90%台を下回った。
〇 メタノールの米国10月契約価格は$584~587/MT(9月$587~601/MT)。同スポット価格は$350~357/MT。
アジア市況は全体的に需要が弱く、スポット価格はほぼ横這いでの推移。9月の日本輸入通関価格は前月と比べドル貨では下落しているが、円安の影響で円貨では、ほぼ横ばいとなった。
〇 ナフサの軽質化やエチレン稼働率の低下により、溶剤向けのトルエン・キシレンの需給バランスは非常にタイトな状況となっている。
また、日本や韓国ではトルエン・キシレンを採算性の良いガソリン基材へ投入しており、年内はこのタイトな状況が継続する見通し。
〇 出光興産は、ENEOS知多事業所からパラキシレン(PX)製造装置などを譲受して新たに「愛知事業所」を開所した。
現在は、愛知製油所と譲受したPX装置が立地するエリアを結ぶパイプラインの改造工事を行っており、2023年1月にPX製造装置の稼働開始を予定している。
PXの生産能力は出光興産の旧愛知製油所と合わせると年間最大40万トンになり、年間最大約80万KLのガソリン留分を新たに化学品に転換できるようなる。