電波吸収と電磁波シールド
電磁波吸収素材と種類
電磁シールドは、導電性材料 (金属など)の板材、膜財、網材などを用いて、 対象空間を(ぐるっと)包み込む方法です。電波吸収は、(文字通り)到来した電波を境界面で吸収する技術です。
電磁シールドでは基本的に金属板でシールドし、シールド材としては比較的導電率が高い銅やアルミの箔がよく使用されますが、電波吸収材料としては、「銀」「誘電体(カーボン)」「フェライト(酸化鉄を主材 料とする磁性材)」及び、バインダー基材などが用いられます。吸収したい周波数(帯域)と減衰量に 応じて個別に設計されます。
吸収材の基材は、被着物との密着性と耐熱性、絶縁、低収縮率、低圧縮ひずみに特性のあるシリコーンゴムが中心で、銀、カーボン、フェライトを分散させ、シート状に加工します。
高周波遮蔽シート材料の課題
電波吸収体の厚さと充填率の精度がクリティカルなゴム製品で量産されていたが、ミリ波帯の電波吸収体を製造する際、充てんフィラーの均一分散が不可欠であるため、製品ごとのばらつきが大きく量産には向かないことが知られている。また吸収性能に着目すると使用可能帯域が狭いものが多かった。
従来は、金属(銀(Ag))系塗料であり、この塗料の主成分はAg粒子、Ag粒子をつなぐバインダー樹脂、有機溶剤である。電磁波遮蔽能には優れるが、有機溶剤には他の物質を溶かす性質があるため塗布可能な基材が制限されていた。また、カーボンブラック(CB)粒子と水を用いたCB系塗料も開発されているが、電磁波遮蔽能が低いという課題がある。
新しい製品設計の素材条件
注目される素材の条件は以下の通りです。
■吸収体の厚みを薄く高耐熱性、ミリ波帯での動作
■高温環境下では塗布膜を形成した基材とバインダー樹脂との熱膨張率の違いやゆがみによる、ひびや剥がれ防止。
■基材に対する選択性から、水溶性。
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