消泡剤の作用機構
泡消剤の用途
私たちの生活の中で洗剤を使う際に泡がでますが、工場ではあらゆる工程上で泡があると品質や製品、環境面で不都合が生じる場合があります。泡消剤はその際に用いられますがその用途は幅広く工業製品の製造工程や食品工場の製造、発酵や、洗浄剤や排水処理など様々な分野で用いられます。
3つの作用効果
消泡剤の対象となる泡は、泡の液体が重力により流れ膜厚が薄くなり、破泡します。しかしながら、泡を安定化させる物質がある場合、泡は安定化し破泡せず残ります。その安定化させる物質は、疎水性部と親水性部を有し界面張力を低くすると効果があることが特徴で、界面活性剤等が代表的です。消泡剤を泡が発生する液に対してごく微量添加することによって、泡の発生を抑える液となります。
泡消剤を添加し作用される効果として主に以下の3つがあります。
破泡作用
泡の表面は界面活性物質の疎水基を上面に出して規則正しく並んでいます。一方、消泡剤は親水性の部分と疎水性の部分が混在しているため、この物質が添加されると泡表面の分子配列の一部は消泡物質に置き換わり、泡の膜はある一定の厚さを保って非常に弾性的な性質を持っていますが消泡剤の侵入によって膜は不安定になり破泡します。
抑泡作用
消泡成分をあらかじめ液に分散させておくと、液表面に並んだ界面活性剤物質の中に消泡剤がその配列に割り込み、液中の気泡が表面に出て薄膜を形成しようとした際に消泡成分が薄膜を不安定化させ、泡の生成を不可能にします。
脱泡作用
脱泡は液中の泡を合一させて大きくし、泡が表面に浮上する速度を早くする効果です。
消泡剤の種類
■シリコーン系消泡剤:オイル型,オイルコンパウンド型,溶液型,エマルジョン型,自己乳化型に分類される。
■有機系消泡剤:汎用性は少ないが,水性の発泡液の消泡においてすぐれた持続性を示す。
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