5月度原油・金属・為替相場動向を更新しました。
〇 経済産業省素材産業課がまとめた3月のエチレン生産量(速報値)は、56万5,900トンと前年同月比で24.8%増。
前年同月の定修プラントは2基(JXTG川崎、東ソー四日市)、当月は0基だった。エチレン設備の平均稼働率は95.6%と前月から1.8ポイント増加し、稼働率が90%を超えるのは10ヶ月連続となる。
〇 メタノールの米国4月契約価格は$521~527/MT(3月$484~494/MT)。
同スポット価格は$401~406/MT。メタノールの需給バランスはイランのプラント停止や中国MTOの高稼働が影響し、タイトバランスになっており、3月の日本輸入通関価格も前月から上昇。
4月も高値で推移する見通し。
〇 酢酸エチルのアジア市況は原料酢酸価格の軟化を受けて一時は下落に転じていたものの、その後は中国の一部酢酸メーカーの生産停止(電力不足・プラントトラブル)の影響により再度高騰している。
アジアの指標となる中国FOB価格も足元では再度$1,300/MTをうかがう展開となっている。
また、5月—6月にかけてダイセルの酢酸プラントも定修により停止するため、酢酸エチルの価格は当面の間、高値を維持する見通し。
〇 石油化学メーカー各社の値上げ発表が出揃い、本格的な交渉に突入した。各メーカーとも今回の値上げは、ナフサ上昇分以外に物流費・用役費などの上昇分を含めて実施する考え。
主な製品・値上げ幅は以下の通り。
IPA 19円/kg以上~30円/kg、MEK 30円/kg以上~40円/kg以上、
アセトン 29円/kg以上~45円/kg以上、MIBK 36円/kg以上~54円/kg以上、
ノルマルブタノール・イソブタノール 20円/kg以上~35円/kg以上、MCH 24円/kg以上~30円以上