6月度原油・金属・為替相場動向を更新しました。
〇 経済産業省素材産業課がまとめた4月のエチレン生産量(速報値)は、54万6,200トンと前年同月比で17.4%増。
前年同月の定修プラントは2基(JXTG川崎、東ソー四日市)、当月は0基だった。
エチレン設備の平均稼働率は95.3%と前月から0.3ポイント減少したが、稼働率が90%を超えるのは11ヶ月連続となる。
〇 メタノールの米国5月契約価格は$521~527/MT(4月$521~527/MT)。
同スポット価格は$361~374/MT。アジア市況は、イランのプラントトラブルや定修に伴う停止の影響と中国MTO高稼働による旺盛な需要を受けて、高止まりしている。5月の日本輸入通関価格も前月とほぼ横這いで推移する見通し。
〇 酢酸エチルの国際市況は原料酢酸価格の続騰を受けた中国勢の稼働率低下と欧米などの需要回復を受けて高値で推移。アジアの指標である中国FOB価格も$1,300/MT前後での値動きとなっている。
〇 酢酸ブチルのアジア市況は、原料ブタノールの高騰を受けて続騰している。
ブタノールは、各国プラントの操業トラブルや米国大寒波の影響により、アジア域内へのスポット玉の流入が滞り、需給バランスはタイト化。
また、中国では自動車や塗料向けに需要が旺盛なアクリル酸ブチルメーカーが、同国内ブタノールメーカーの定修に伴って、過剰な在庫確保に走り、よりタイト感に拍車がかかった。
〇 ドラム缶メーカーは、鋼材価格の値上がりと副資材・物流費のコストアップを受けて、5月から価格改定を行っているドラム缶の主材料の薄板鋼板は中国の旺盛な需要・生産を背景にタイト化しており、今後は更に値上がりする可能性がある。