7月度原油・金属・為替相場動向を更新しました。
〇 経済産業省素材産業課がまとめた5月のエチレン生産量(速報値)は、52万8,700トンと前年同月比で20.6%増加した。
前年同月の定修プラントは2基(三菱ケミカル茨城、丸善精油化学千葉)、当月は1基(三菱ケミカル旭化成エチレン・水島)だった。
エチレン設備の平均稼働率は93.8%と前月から1.3ポイント低下、稼働率が90%を超えるのは12ヶ月連続となる。
〇 メタノールの米国6月契約価格は$521~527/MT(5月$521~527/MT)。同スポット価格は$357~364/MT。
メタノールの需給バランスはイランのメタノールプラントの定修及びトラブルによる停止・低稼働、オレフィン誘導品の市況高による中国MTO高稼働等といった状況で引き締まっており、欧米・アジア市況は高止まりが続いている。
〇 ベンゼンアジア市況はコロナ渦によるナフサ価格の下落を受けて、昨年4月には1トンあたり$250程度まで下落したが、11月以降は米国大寒波や製油所の定修等の影響で欧米市況が急騰したことを受けて、上昇基調を継ぎ、今年5月には$1000を突破した。
足元の価格は$1,000を割り込んではいるものの、$900台 の高値で推移している。その為、ベンゼン誘導品価格も大幅な値上げとなっている。
〇 酢酸エチルのアジア市況は依然高値が続いている。アジアの指標となる中国FOB価格は原料酢酸価格の高騰を受けて、6月に入り再度最高値を更新。($1,330~1,380/MT)
足元では中国での酢酸新設プラントの立ち上げを控え、酢酸の需給バランスが緩んだ事で、酢酸エチル市況は若干下落したが、小幅な下げに留まっている。