5月度原油・金属・為替相場動向を更新しました。
〇 経済産業省素材産業課がまとめた3月のエチレン生産量(速報値)は、37万4,900トンと前年同月比で33.6%減少。
前年同月の定修プラントは0基、当月は4基(ENEOS・昭和電工・東ソー・京葉エチレン)だった。
エチレン設備の平均稼働率は96.1%と前月から3.8ポイント増加。
稼働率が90%を超えるのは22ヶ月連続となる。
〇 メタノールの米国4月契約価格は$661~664/MT(3月$614~621/MT)。
同スポット価格は$371~387/MT。ロシア軍事侵攻により、欧米のスポット価格は一時急上昇したが、ロシア産メタノールは市場占有率が高くない事から、影響は限定的であった。
アジア市況は中国上海のロックダウンによる需要減退を受けて、緩やかに下落していたが、燃料高騰の影響による海上運賃の値上がりやアジア域内の大型メタノールプラントが定修を迎える事から、再度上昇する見込み。
〇 住友化学は2022年10月を目途にナイロン原料のカプロラクタム事業(年産85,000トン)から撤退すると発表。
中国企業の能力増強が相次いだ影響により需給バランスが崩れ、収益性が悪化した為、競争力の維持が困難になったことが理由
。中間原料であるシクロヘキサノンは溶剤や塗料向けに堅調な需要が見込めることから製造販売を継続する。
〇 KHネオケムは4月4日に発生したに四日市工場の事故と生産設備の不具合により、定修期間が延長となっており、一部の製品で出荷制限を行っている。
〇 粗留アルコールの輸入価格高騰を受けて、発酵アルコール各メーカーの値上げ発表が出揃った。
各メーカーとも物流費・用役費などの上昇分も含めて5~6月から実施する方針で、値上げ幅は下記の通り。
日本アルコール産業 27円/L、第一アルコール 30円/L、宝酒造 25円/L、合同酒精 27円/L