7月度原油・金属・為替相場動向を更新しました。
〇 経済産業省素材産業課がまとめた5月のエチレン生産量(速報値)は、46万1,600トンと前年同月比で12.4%減少。
前年同月の定修プラントは1基、当月は2基(ENEOS、三菱ケミカル)だった。エチレン設備の平均稼働率は87.6%と前月比で4.2ポイント低下し、90%台を割り込んだ。
90%を割り込むのは2020年6月以来、2年ぶり。
〇 メタノールの米国6月契約価格は$601~618/MT(5月$624~641/MT)。同スポット価格は$340~374/MT。
アジア市況は、中国ロックダウン解除後のメタノール誘導品需要の戻りが弱く、在庫水準も高いことから中国を中心に下落傾向。
6月の日本輸入通関価格は、ドルベースでは下落する見通しだが、歴史的円安の影響で、円貨での下落幅は限定的。
〇 酢酸エチルの国際市況が反転上昇している。
中国大手が設備トラブルで減産、原料の酢酸や工業用エタノールの価格上昇も押し上げ要因となっている。
日本の輸入商社は、市況上昇に加えて円安進行による調達コスト高の転嫁に向け、一部で20~30円/kgの値上げ交渉を実施している。
〇 国産ナフサ価格の上昇を受けて、溶剤製品の追加値上げの発表が相次いでいる。
主な製品の実施時期・値上幅は下記の通り。
丸化 ・・・ 7/1より MEK 高沸点溶剤 MCH マルカゾールR マルカゾール8 10/kg以上
オクサリスケミカルズ ・・・ 7/1より MEK 10/kg以上
三菱ケミカル ・・・ 7/11より Nブタノール イソブタノール 2エチルヘキサノール 10/kg以上